ウェグナーデザインを数多く手掛けていることで知られる高級家具メーカー、カール・ハンセン&サン。ここでは、カール・ハンセン&サンが発表している数々の名作家具の中から、Y-チェア CH24mをご紹介したい。ブランドの歴史にも触れているので、興味のある方は併せてご覧いただきたい。
世界的家具デザイナー、ハンス・J・ウェグナーがデザインした傑作の一つ、Y-チェア CH24m。1950年にリリースされて以来、長きにわたり世界中で愛され続けている名作椅子である。
背もたれからアームに向けたR曲線、背もたれを支えるY字のデザインと角度、太さを変えながら先端へと伸びる脚のディテール、見る角度によって光を反射しX字を描く座面。360度、どの角度から見ても、スキのなさにおいて、この作品の右に出るものはないだろう。
初めて座ったときは、やや固さを感じる座面のペーパーコードだが、使いこんでいくうちに徐々に弾力を帯びていく。前方へ傾くように腰かけても、背もたれにゆったりと寄りかかるように腰かけても、座面はしっかりと人のお尻に付いてくる。通気性の良い素材なので、夏は涼しく冬はひんやりしない。
アームから背もたれ上部、そしてアームへと至る半円は、蒸気を少しずつ当てながら一つの木材を曲げていく「曲木加工」により制作されている。継ぎ目のない美しさと滑らかな触り心地が「曲木加工」の特徴である。座面から縦に伸びる背もたれは、やや後ろに傾斜をつけることで、大柄な男性の体をもゆったりと包む。圧迫感のない適度な細さ、薄さも全体のデザインコンセプトにマッチする。
曲木のアームお中心を支えるように伸びる背もたれは、ご覧の通り「Y」の字を描いている。「Y-チェア」との愛称の由来にもなったパーツである。この「Y」の字が鳥の骨のようにも見えるとのことから、海外では「ウイッシュボーンチェア」などと呼ばれることもあるそうだ。背もたれが「Y」の字で分かれていることで、背骨が背もたれに当たらず、長時間快適に座ることができる。
ユーザーのお好みに応じ、フレーム木材と仕上げ方をカスタマイズできることもY-チェアの魅力である。フレーム木材は、ビーチ材(ブナ)、オーク材(ナラ)、アッシュ材(トネリコ)、ウォールナット材(クルミの一種)、マホガニー材(サペリマホガニー)から選ぶことが可能。仕上げ方は、ソープ仕上げ、オイル仕上げ、カラー塗装のいずれかを選ぶことができる。
1950年にハンス・J・ウェグナーがデザインし、2022年現在でもなお生産され続けているY-チェア CH24m。背もたれ部分に「Y」に似た形が描かれていることから、Y-チェアという愛称で呼ばれるようになった。明時代のチャイニーズチェアからインスピレーションを得てデザインされた、と言われている。
広めの座面と緩やかなカーブの木目フォルムは、和室にもマッチしそうな印象だ。使い続けるほどに経年変化で味わいが増していくため、世代を超えて使い続けることができるだろう。
一般市場でも広く人気のY-チェア。実際に正規品を購入した方々からの評判を集めてみたので、購入を検討する際の参考にしていただきたい。やはり、リプロダクト品より正規品のほうが評判は良好だ。
(前略)座り心地は適度にペーパーカードがしなり快適でずっと座っていられます。いろんな体勢で座りますが耐久性も○なのにとっても軽くて片手でも持ち上がるところもお気に入りです。
ソープフィニッシュならではの木のすべすべの質感と表情を楽しみつつ、これからどんどん経年変化していくのかと思うと本当に買った価値があるな~!と思いますのでおすすめです。
(前略)とても大きな箱で届き丁寧に梱包されていました。Yチェアの本も付いており、椅子のケアについても書かれていたので助かります。背もたれから肘掛けまでの曲線が美しく、肘掛けがあるからこそゆったり座れる。木製でもこの絶妙なカーブで体が痛くないのです。食事の時間が楽しくなりそうです。椅子って、座り心地がこんなに違うんだと気付かされました。(後略)
美しい木目や曲線、歪みのないつくり。職人の素晴らしい技術に感動しています。座り心地はゆったりしていてアームもフィットして、ずっと座っていても快適です。身長に合わせて、座高43cmを選びました。
欲しいと思いつつもなかなか購入に至りませんでした。サイズも変わってしまい心配していましたが高さ70cmのテーブルでも問題ありませんでした。念願のYチェアが、これで4脚揃いました。
ずっと憧れだったYチェアがついに届きました。やはり素敵です!座面はやや高いですが、普段使いはせずフォーカルポイントとして置いてあるのでOKです。目に入る度に嬉しくなります。
1908年にデンマークで創業したカール・ハンセン&サン。椅子、テーブル、ソファなどを製造・販売している高級家具ブランドである。ウェグナーデザインを多く手掛けていることでも知られている。
カール・ハンセン&サンの創業は1908年。デンマークの家具職人、カール・ハンセンが開設した自身の小さな家具工房が、のちに偉大なブランドへと成長するカール・ハンセン&サンの始まりである。
創業当初から妥協なきクラフツマンシップにこだわっていたカール・ハンセン。優れたデザイナーとの協働により、次々に名作家具を世にリリースしていったという。
そして1949年。カール・ハンセン&サンを世界的ブランドへと躍進させる大きな出来事があった。ハンス J. ウェグナーとの協働である。
当時まだ無名だったウェグナーの才能を見出した二代目社長のホルガー・ハンセン。ウェグナーの才能と自社のクラフツマンシップのコラボから生まれた作品の数々により、ウェグナー自身もカール・ハンセン&サン社も、またたく間に世界的名声を得ることとなった。
今日もなお、カール・ハンセン&サンは、世界で多くのウェグナーデザインを生産する家具メーカーである。
カール・ハンセン&サンが発表している多くの高級家具の中から、ここでは、ハンス J. ウェグナーがデザインした不朽の名作、Y-チェア CH24mをご紹介した。デザインのみならず、実用性の高さや快適さでも評価を集める完成度の高い作品である。
さて、世界の家具市場に目を向けてみると、ここでご紹介したY-チェア CH24mと同様に、歴史的な名作とされている高級椅子が他にもいくつかある。以下のページでは、当サイトが注目する国内外の椅子を一覧でご紹介しているので、関心のある方はぜひ参考にしていただきたい。