スワッグレッグチェアの最大の特徴は、その美しい脚ではないだろうか。スワッグレッグとは、この美しい脚の製造プロセスにちなんで名づけられたもの。
工業用素材で彫刻のような美しい脚を表現するために使われたのがスウェージとよばれる工法である。圧力をかけることで金属に動きを与え、独特の優雅さと高い強度を兼ね備えた脚を実現した。座面と背面の印象的なラインは、座った人の動きに合わせてたわむように設計されており、快適性も申し分ない。これこそが「木材を使わない彫刻」といわれる所以であろう。
1950年代半ばにデザインされたペデスタルスツール。ネルソンらしいシンプルかつエレガントなデザインは、置く場所を選ばない多用途性が魅力だ。さらに、ペデスタルスツールにはもう一つの大きな魅力が隠されている。それは環境に配慮された製品であること。ペデスタルスツールにはリサイクル可能なクッションとアルミニウムが使用されている。環境保全の重要性をいち早く認識し、世界に先駆けて実践した一脚である。
18個の丸いクッションで形作られたマシュマロソファ。その独特なフォルムは、目にした人々に大きなインパクトを与える。デザインの中に遊び心を忍ばせることが多い、ネルソンらしいソファであるが、使い心地の追求も忘れてはいない。クッションの素材やカラーによって空間をいかようにも演出できる存在感をもつマシュマロソファは、ポップアートスタイルの礎となった一脚といわれている。
ジョージ・ネルソンは、建築家、デザイナー、ディレクター、編集者など多方面でマルチな才能を発揮。ミッドセンチュリーを牽引した人物として知られている。
1908年アメリカのコネチカット州で生まれ、名門イェール大学で建築学の学位を取得。大学卒業後にニューヨークに建築事務所を構え、ハーマンミラー社のデザイン部長も務めた。
ネルソンのインスピレーションは大変個性的かつアイディアに富み、時代を超えてもなお、人々をひきつけてやまない。また、デザインディレクターとして、チャールズ・イームズやイサム・ノグチといったミッドセンチュリーを代表する名デザイナーを発掘したことも大きな功績として、称えられている。
マルチな才能で、多方面で活躍したジョージ・ネルソン。彼の独創的なデザインは、彼自身の経験やそこから得られたインスピレーションから生み出されたものが多い。
ネルソンのデザインは、どれをとっても独創性の中に、優美性・機能性を兼ね備え、どのような空間にも馴染む存在感を放っている。使い込むほどに温もりや楽しさを感じることができるネルソンのデザインは、これからも多くの人々に愛され続けるだろう。