日本発の国際的な高級家具ブランド、マルニ木工。
独自開発した「木材の曲げ技術」などを駆使し、これまで数々の名作家具を生み出しているブランドだ。
ここでは、マルニ木工が発表している高級家具の中からHIROSHIMA アームチェアを取り上げてご紹介したい。
その見事な曲線美から生まれる精巧なシルエットは、マルニ木工以外に作りだすことができまい。
画像引用元:マルニ木工オンラインショップ公式HP:https://webshop.maruni.com/fs/maruni/2955310000
著名な日本人プロダクトデザイナー、深澤直人氏が手がけたHIROSHIMA アームチェア。
マルニ木工の理念である「100年後も定番として愛される家具」が、まさにこの作品で実現している。
日本が世界に誇る名作である。
自然の温かみとスマートな都会的センスは、なかなか融合が難しい。
この融合を成功させた名作家具を一つ挙げるならば、HIROSHIMA アームチェアを外すことはできない。
実にシンプルな椅子である。
そのシンプルさの中に自然の温かみとスマートな都会的センスが密接に融合されている。
傑作、名作とは、このような作品を言う。
高品質な天然木を厳選し、モノづくりに精通した職人が丹精込めて作り上げたHIROSHIMA アームチェア。
時が経つほど、使いこむほどに重なっていく色合いの濃淡が、椅子をますます魅力的なものへと変化させる。梱包を開けたときから椅子の歴史が始まり、子の代、孫の代と、美しさが進化していく。
世界に発信できる日本家具を追求するマルニ木工。一筋縄ではいかない頑固職人たちをうならせるデザイナーとして、2008年、マルニ木工はプロダクトデザイナーの深澤直人をパートナーに迎えた。
その深澤とマルニ木工との長い対話から生まれた結晶こそが、こちらでご紹介しているHIROSHIMA アームチェアである。
日本独自の木に対する美意識と深澤の卓抜したデザインセンスから生まれたこの椅子は、またたく間に識者の評価を集め、実に29か国で展開される世界的コレクションまで成長。
アップル新本社にも数千脚が導入されている。
マルニ木工は、1928年に日本の山中武夫によって立ち上げられた家具ブランドだ。
難度の高い「木材の曲げ技術」を採用した高級家具を工業生産ラインで生み出すことに成功した、数少ないブランドの一つである。
のちにマルニ木工を創業することとなる山中武夫は、広島の宮島で行われていた「木を用いた伝統工芸」に注目していた。まるで手品のように自在に形を変えていく木の魅力に取りつかれ、みずからも木の加工法を徹底して研究した。
日々の努力が実る形で、山中は、技術難度が高いとされる「木材の曲げ技術」を独自で確立。1928年、この技術を「職人の手」ではな「工業生産ライン」で生み出すことを目標に、現在のマルニ木工の前身となる「昭和曲木工場」を設立した。
以後、「木材の曲げ技術」を採用した数々の名作椅子を発表。戦後、マルニの技術力と工業生産力が更に増強され、のちに「技術のマルニ」と評される礎を築くに至った。1968年に同社が開発した「ベルサイユ」は、高級家具の工業生産に成功した好例として、日本の高級家具史上を語るに外せない。加えて、この「ベルサイユ」こそが、マルニ木工をして国際ブランドの地位を確立せしめた不朽の名作でもある。
「100年後も定番として愛される家具」を製造し続けることを目標に、今もなおマルニ木工は進化を続けている。
木に対する日本人独自の美意識、自らに妥協を許さない木工職人たち、そして、世界に誇る日本の天才デザイナー深澤直人。その3要素が融合し相乗効果を生んで、名作椅子は生まれた。
HIROSHIMA アームチェアと同様に、「奇跡の結晶」とも言うべき名作椅子が世界にはいくつも存在する。しかし、逆に「奇跡の結晶」を思わせるような偽物も存在する。
本物の名作を見極める目を養うには、まずは好き嫌いを排除して多くの歴史的名作に目を通し、それぞれが評価されている理由を理解し、そして咀嚼することが大事。以下のページで、本物の名作家具を比較されてみてはいかがだろうか。