Yチェアとして知られているCH24。ハンス・J・ウェグナーの代表作であり、モダンデザインの名作として半世紀以上にわたり愛されている。 1950年にデザインされたCH24は、曲木アームと背もたれが一体化した、シンプルかつ斬新なデザイン。座面には120mにも及ぶペーパーコードが熟練職人の手によって張られている。 洗練されたミニマルなデザインの中にもナチュラルな温もりが宿るCH24は、ハンス・J・ウェグナーの素材への探求心の結晶といえるだろう。
2本のペーパーコードが緩みなく整然と編み込まれたCH25。元々ペーパーコードは、物資不足の戦時中に日用品の1つとして使われていたものであるが、若かりしハンス・J・ウェグナーが、その高い感性で椅子の素材として着目。ペーパーコードのしなやかさ、耐久性を活かしたラウンジチェアを生み出した。包まれるようなゆったりとした座り心地は、ワンランク上のリラックスタイムを演出してくれるだろう。
1950年に発表されたCH23は、ハンス・J・ウェグナー初期のデザインである。流行に左右されない洗練されたデザインと人間工学的観点を取り入れた一脚。 自然素材を活かしたナチュラル&シンプルなラインである。曲木の背もたれに施した埋め木、整然と張られたペーパーコード、安定性を与える後脚など、ディテールへのこだわりが随所に感じられる。
ハンス・J・ウェグナーは、デンマークを代表するデザイナーであり、「椅子の巨匠」とも称されている。代表作であるCH24をはじめ、手がけた椅子のデザインは500脚以上。
1914年にデンマークとドイツの国境・トゥナーに生まれたハンス・J・ウェグナーは、家具職人であるH.Fスタルベアーグに師事。17歳で家具職人の資格を取得した。その後、コペンハーゲンの工芸スクールにて学び、デザイナーとして活動を開始。
王立美術大学名誉学士号、ロンドン王立工業デザイナー協会名誉会員であり、作品はニューヨークのMOMAなど有名美術館のコレクションとしても多数展示されている。
シンプルなデザインの中に宿る美と機能性を追求し、家具本来の姿をひきだす―ハンス・J・ウェグナーの信念は、デザイン界に新しい風を吹き込み、「デニッシュモダン」というスタイルを確立させた。
極限まで無駄を削ぎ落して生まれるのは、創造性・独創性・機能性を兼ね備えたミニマムなフォルム。しかしながら、木材やペーパーコードなど自然素材の持つ温かみは最大限に生かされているのが、ハンス・J・ウェグナーの特徴だ。
ハンス・J・ウェグナーの家具はどれも使う人に安らぎとくつろぎを与えてくれる。これこそがデニッシュモダンの真髄であり、時代を超えて愛される所以なのであろう。