1989年にイタリアで設立されたarper(アルペール)。シンプルかつ無機質な美しさを特色としており、ヨーロッパのデザイン賞を受賞している作品も多数。ここでは、arperが発表している作品群の中から、ASTON(アストン)の魅力や特徴などをご紹介したい。
シンプルでありながら、近未来感と上質な雰囲気を醸し出しているASTON。家具はもとより、建築や工業製品なども幅広く手掛けるフランス人デザイナー、ジャン・マリー・マッソーの作品で、2007年のミラノサローネで初めて披露された。
ASTONは一見すると、ブラックの座面と背もたれ、アルミニウムの脚部を持つシンプルなチェア。その上で、よくよく見ると、背もたれ部分は体を包み込むようなハイバックフォルムとなっており、素材にも上質な皮革を使用。arperが元々得意としているミニマルなデザインでありながら、近未来感と上質なエレガンスを、見事に融合させている。
ASTONのデザインは、1966年生まれのフランス人デザイナー、ジャン・マリー・マッソーが担当。トゥルーズ出身でパリの学校で学び、デザイナーとしてのキャリアをスタートさせた。数々の受賞歴があり、またヤマハのOFFSHORE潜水艦プロジェクトやトヨタのコンセプトカー制作にも携わっており、日本とも縁がある。ASTONはそんなマッソーが手掛けたもののなかでも、高い人気を博している。
ASTONが世の中にお披露目されたのは2007年、イタリアのミラノサローネでのこと。arperらしいミニマルかつシンプルなデザインでありながら、洗練された上品な佇まいであると、たちまち大好評を博した。とりわけヨーロッパにおいては、一流企業のオフィススペースや会議室などに用いることが、一種のステータスシンボルとなっているほどだ。個人宅でも、PCチェアや書斎の椅子としても人気となっている。
1989年にイタリアのトレヴィゾにて創業。当初はレザー製チェアの製造を手掛けていたが、2001年以降は、様々な家具に守備範囲を拡大。シンプルさのなかに機能美を感じさせるデザインを大きなこだわりとしている。また高品質でありながら、比較的リーズナブルな価格であることも、人気を後押ししている。
arperはイタリアのブランドであるものの、実は大きく支持されているのはドイツやイギリス。繰り返し述べている通り、派手さを抑えたシンプルな佇まいでありながら、そのなかにさり気なく機能美を盛り込んでいるという点が、ドイツやイギリス人の好みにマッチしているものと見受けられる。これまでの受賞歴は、ドイツのレッドドット(2012年)、iFデザイン賞(2012年)、イギリスのFXアワード(2022年)などとなっている。
参照元:arper公式HP:https://www.arper.com/ww/it/magazine/news/arper_vince_if_communication_award
参照元:arper公式HP:https://www.arper.com/ww/ja/magazine/news/shaal-wins-fx-awards
arperが手掛けてきた名作椅子の中から、ASTONの魅力をご紹介した。シンプルなデザインでありながら、さりげなく高級感、上質感を醸し出しているというのが、大きな魅力であり、人気の根幹であると言えるだろう。
さて、世界の高級家具に目を向けてみると、ASTONと同様に、名作家具として広く評価を集めている椅子やスツールは、他にもまだ存在する。以下のページにて、それら名作椅子を一覧でご紹介しているので、関心のある方は引き続きお読みいただきたい。