くつろぎの時間を過ごすための1人掛けの椅子を「リラックスチェア」と呼ぶ。誰かと一緒に座るケースが多いソファとは異なり、自分だけの好みに合わせられる点が魅力だ。リラックスチェアは、ゆったりと体を預けられるサイズとなっていることが多く、映画を見たり読書をしたりといった、くつろぎの時間を過ごすのに適しているといえるだろう。
リラックスチェアの中にはリクライニング付きのものやオットマン付きのもの、ロッキングチェアなどさまざまなものがあるため、用途や好みに合わせてじっくりと選ぶのがおすすめだ。
素晴らしい家具に与えられる賞はさまざまなものがある。世界的な賞を受賞しているチェアも多数あるが、その中から名作と呼ぶにふさわし5点の作品を紹介する。自宅で過ごす時間をさらに豊かにしてくれそうなリラックスチェアを見ていくことにしよう。
伝統美とモダンデザインを融合させた、高品質な家具に定評のあるデンマークのブランド「FREDERICIA(フレデリシア)」が生み出したMogensen 2204 Wing Chair。デザインを担当したのは北欧家具デザイナーの巨匠として知られるボーエ・モーエンセンだ。
柔らかさが感じられる色調とシルエットが特徴となっており、高品質な革を使用していることから、使い続ける中で味わいが増していく点も魅力といえるだろう。
ニューヨークで1938年に創業し、実用性と芸術性を両立した家具を製造しているKnoll(ノル)が提供するEasy Chair(イージーチェア)を紹介する。
アメリカ出身のデザイナーであるウォーレン・プラットナーによりデザインされた椅子であり、座面や背もたれのデザインが優雅な雰囲気を醸し出していることに加え、スチールワイヤーを溶接して作った美しい曲線が強い印象を残す点が特徴といえるリラックスチェアだ。
1872年にデンマークで設立された、歴史ある高級家具ブランド・Fritz Hansen(フリッツ・ハンセン)。同ブランドが提供するエッグチェアは、その名の通り、座る人を卵の中に誘い込むようなデザインが特徴的だ。
こちらは著名な建築家であるアルネ・ヤコブセンがデザインした椅子となっている。同氏は、このデザインを完成させるため、自宅のガレージで幾度も施策を繰り返したといわれている。こちらの椅子は、数多くのメーカーによってリプロダクト品が生み出されているほど人気が高い。
モダン家具の代表ともいえるイタリアのブランドとして知られるCassina(カッシーナ)が手がけるCanapoは、その優雅な曲線に心を奪われるリラックスチェアだ。デザインを担当しているのはイタリアのデザイナーであるフランコ・アルビーニであり、「バランスへの追求」がコンセプトとなっている。
このチェアを利用すれば。まるでハンモックに座っているかのような感覚でくつろぎのひと時を過ごせるだろう。クッションを取った形でも使うことができる。
緩やかな曲線が美しいチェアAntropus(アントプロス)は、イタリアで創業したブランドArflex(アルフレックス)が生み出したチェア。全体的に丸みが感じられるフォルムであり、座面は低めに作られていることに加えて繊細な曲線を描いているためにゆったり座れる点も魅力だ。
また、人間工学に基づいたデザインが行われている点も特徴となっているが、こちらのチェアは「イタリア工業デザインの父」とも呼ばれるマルコ・ザヌーゾによりデザインされている。