2011年にグッドデザイン賞を受賞したタイ発の名作テーブル、Donu-T table。ここでは、Donu-T tableの魅力や歴史などをご紹介しよう。
無垢材のみを使ったシンプルかつシャープなテーブルだが、その随所にデザイナーのこだわりと職人のクラフツマンシップが隠れている。世代を超え、長年にわたって受け継がれ得る強度も備えた完成度の高い作品である。
ご覧の通り、非常にシンプルな四角いテーブルである。脚として採用する2枚の板が天板と素材も幅も統一していることから、さらにシンプルさが際立つ。
このシンプルな構成の随所に見られる丁寧な仕上げ。手間のかかった作品であることが随所に伺える。
Donu-T tableは、一見、強度に不安があるように思えるが、実際にはそうではない。
テーブルを横にして天板と脚とのつなぎを見てみると、板と板をジグザグにしてジョイントしていることが分かる。一般的な量産家具では決して見られない、熟練職人の工芸レベルの精巧なジョイント構造である。
Donu-T tableは、IDLM CO., LTD.(タイ)に所属するデザイナー、Rangsan Narathasajan氏が手掛けた作品である。国外市場向けとして、2010年4月1日に販売がスタートした。
2011年には、デザインエクセレンス賞(タイ)との連携に基づく応募として日本のグッドデザイン賞を受賞。受賞の概要として、次のような説明が見られる。
Living is art. Art is in everyday living.
Nature always gives beautiful and different character in every single piece by its own.
(生きることは芸術である。芸術は日常生活の中にある。
自然は常に、それぞれの作品自体の中に美しく異なる性格を与える。)
引用:グッドデザイン賞公式サイト
(https://www.g-mark.org/award/describe/38242)
Donu-T tableに内包された思想を端的に表現した的確な説明である。
IDLM CO., LTD.は、タイに拠点を置くデザイン会社である。インテリアデザインと住宅プロジェクトに強みを持つ会社で、それら2つの強みの相乗効果を狙う形で、デザイン性の高い数々の家具を生み出している。
IDLM CO., LTD.が手掛けた名作テーブル、Donu-T tableをご紹介した。タイで生まれた作品だが、どこか懐かしく、日本人の感性にも実にしっくりと来るデザイン性である。
さて、広く世界の家具市場に目を向けてみれば、Donu-T tableと同様に識者たちから高く評価されている名作テーブルが、他にもいくつか存在する。それら一連の名作テーブルを以下のページでまとめてご紹介しているので、関心のある方は、このまま続けて目を通していただきたい。