アメリカのデザイナー、フランク・ロイド・ライトが手がけた名作椅子「Barrel Chair(バレルチェア)」を紹介しよう。どのような魅力や歴史を持つ椅子なのか、またこの椅子を提供するブランド、Cassina(カッシーナ)に関する情報もまとめている。
その名の通り「樽」を思わせる丸い座面を囲む背もたれが一体化したデザインのBarrel Chair。この椅子をデザインしたのは、アメリカのデザイナーであるフランク・ロイド・ライト。やわらかな雰囲気を感じられる丸みを帯びたフォルムと、木の光沢が感じられる美しい仕上げが魅力であるとともに、革が持つ存在感や細かい直線の迫力も感じられる点が特徴といえる。
非常に高級感のある椅子であり、部屋に1脚置いておくだけでも雰囲気を変えてしまうような強い魅力を持つ椅子となっている。
このBarrel Chairは、もともと1904年にマーチン邸のためにフランク・ロイド・ライトがデザインを行ったもの。1937年にジョンソン邸のために作られた際には、タリアセンにあるフランク・ロイド・ライトの自邸の居間に置くために12脚を製作して愛用するほど、デザイナー自身も非常に気に入っていた椅子であるという逸話が残っている。
現在、Barrel ChairはCassina(カッシーナ)のイ・マエストリシリーズにて復刻されている。Cassinaの工場における製造では熟練の職人が手仕上げを行うことによって美しさが引き出されている。
Cassina(カッシーナ)は家具ブランドの中でも高い知名度を誇るブランドだ。長い歴史の中で数多くの家具を手がけるとともに、イ・マエストリコレクションにより歴史的な名作を復刻し、細部まで再現している。
ここではCassinaがどのような歴史を持つブランドなのかという点について見ていくことにしよう。
インテリアモダン家具を提供し、高い知名度を持つCassina(カッシーナ)の歴史は1760年まで遡る。当時は現在の「Cassina」という名前はなかったものの、品質の良い家具を作成していた。
その後1927年にカッシーナ兄弟によって「Cassina S.p.A.」の設立が行われ、当時の木製家具からモダン家具への転換を図っている。この転換方向により、同ブランドは規模の拡大に繋げてきたという歴史がある。
さらに同社では、1948年にはデザイナーとのコラボレーションをスタート。フランコ・アルビーニは同ブランドとコラボレーションを行ったデザイナーとなり、その後1954年には権威あるデザインの賞「コンパッソ・ドーロ」を受賞した。
また、同ブランドでは1957年にジオ・ポンティと共同で製作した「スーパーレジェーラ」を完成させたことにより、世界中から注目されるブランドとなった。このコラボレーションから、さらに才能を持つデザイナーや建築家とのコラボレーションを推し進め、1964年には歴史的名作シリーズである「イ・マエストリ」コレクションをスタート。この「イ・マエストリ」とは「巨匠たち」という意味を持っている。
こちらのページでは、長年愛され続けてきたBarrel Chair(バレルチェア)がどのような魅力や歴史を持っているのか、という点について紹介してきた。デザインを手がけたフランク・ロイド・ライト自身も非常に気に入り、自宅の居間用として製作するほどに魅力溢れる椅子だ。
このように、世界には「名作」と呼ばれるさまざまな椅子が存在する。以下のページでは、それらの名作椅子について一覧で紹介しているので、関心をお持ちの方はぜひチェックいただきたい。