「AP(エーピー)」はイタリアのブランドlapalma(ラパルマ)の名作家具だ。ネジを使わない曲線的でエレガントなデザインは、日本人デザイナーが手掛けている。ここでは、そんな「AP(エーピー)」の魅力を紹介したい。lapalma(ラパルマ)の歴史もみていくことにしよう。
一見してスツールには見えないエレガントなデザイン。流れるような抽象的なデザインだが、実は人間工学に基づいている。
エレガントで洗練された抽象的な曲線で構成されているスツール。彫刻のような先鋭的なデザインは、まさにアートだ。ネジを一本も使わず、座面と脚が一体となった構造になっている。脚部は広げることで床との接地面積を広げることが可能。カーペットや床へのダメージを軽減できる。日本人デザイナーが手掛けているだけあって、畳にも似合うデザインだ。
座ってみると体にフィットするその感覚に驚くだろう。ミラノサローネ2010で発表すると、その彫刻的な造形美からは想像できないフィット感が反響を呼んだ。デザインだけではなく、座り心地まで計算されている。フィット感は、アートとしてのデザインだけではなく、人が使う道具としての使い心地が計算されているからだ。スタックが可能なところも魅力のひとつだ。
AP(エーピー)が発表されたのは2010年のミラノサローネ。日本人デザイナー安積 伸がデザインした。柳宗理のバタフライスツールをオマージュしながら、それを超えるスツールを求めてたどりついたデザインがAP(エーピー)となった。発表したlapalma(ラパルマ)は、快適さを大切にする北欧スタイルに影響を受けているブランドだ。AP(エーピー)のデザイン性と使いやすさはブランドのコンセプトにもぴったりマッチしている。デザイナー安積 伸は、APの他にもLEMやZAというlapalma(ラパルマ)のスツールも手掛けている。
北欧スタイルの影響を強く感じさせるブランド。高い技術力を誇り、美しいラインで時代が移り変わっても愛されるデザインを創り上げている。その美しく神秘的なデザインは、グッドデザイン賞(2018年)やFX国際インテリアデザイン賞(2000年)など、数々のデザイン賞を受賞。国際的にも高い評価を受けている。全体的なカラートーンを黒・茶・白で統一しているのが特徴のひとつだ。モノトーンはもちろん、どのようなテイストの部屋に入れてもマッチし、部屋の雰囲気をワンランク上げてくれる。
参照元:ラパルマ公式HP:https://www.lapalma.it/en/news/good-design-award-2018
参照元:ラパルマ公式HP:https://www.lapalma.it/en/families/lem/s79-h55-67
lapalma(ラパルマ)は、1978年にマルカート兄弟によってイタリアのベネチア近郊のパドパァにて設立された。時代を超越したデザインを目標として掲げ、木材や革、金属、ファブリックを組み合わせてアイテムを創り出している。家具づくりをスタートする前は、NASAで緻密なトランジスタカプセルを製造していたというバックグラウンドがあるのがユニークだ。高度な緻密さが求められる物を作っていたその技術が、洗練されたデザインを実現可能にしている。手作業の職人技とテクノロジーの組み合わせを研究し、現在ではその美しいフォルムはわずか数十秒で創り出せるほどに進化した。家具の他に、ホテル、ショップ、美術館、空港などの大規模なプロジェクトにも積極的に参加している。
lapalma(ラパルマ)の家具の中から、AP(エーピー)の魅力をご紹介した。彫刻のようなフォルムが印象的なスツール。人間工学に基づくデザインで体にフィットする機能性と先鋭的なデザイン性を両立しているのが特徴だ。世界の高級家具には、AP(エーピー)と同様の名作家具が、他にもまだ存在している。以下のページにて、それら名作テーブルを一覧でご紹介しているので、関心のある方は引き続きお読みいただきたい。