北欧デザイン界に大きな影響を与えたデザイナー、ハンス・J・ウェグナーによってデザインされた「CH07 シェルチェア」。どこから見ても美しいその造形美は、まさに名作と呼ばれるにふさわしい雰囲気を持った作品であるといえる。
「CH07 シェルチェア」は、1963年にデンマークの家具ブランドであるCarl Hansen&Sonから発表された。デンマーク生まれのデザイナーであるハンス・J・ウェグナーによりデザインされた椅子である。
CH07 シェルチェアの特徴は、なんといってもその斬新なデザインにある。3本足の構造、まるで羽を広げたように見える座面、そして美しいカーブを描いている全体のラインは、流れるような印象を受ける。座ってみると、体にフィットするラインや抜群のクッション性により、快適性を提供してくれるのも魅力のひとつといえるだろう。
どこからみても美しいCH07 シルチェアは、家庭用としてはもちろん、オフィスやパブリックスペースなどでも多く用いられている。
CH07 シェルチェアは、1963年にハンス・J・ウェグナーによりデザインされたイージーチェア。デンマークの家具フェアで発表され、その独特なデザインが大きな注目を集めたものの、当時は一般的な支持は得られなかったという。
そのため、1960年代には数台しか制作されなかった歴史を持っているが、その後1998年にCarl Hansen&Sonによって復刻されたところ大きな反響を呼び、「名作」と呼ばれるチェアとして認識されるようになった。
Carl Hansen&Sonは、数多くのデザイナーとともに歴史的なデザインを生み出してきた北欧家具ブランドだ。ハンス J.ウェグナー、コーア・クリント、アルネ・ヤコブセン、ボーエ・モーエンセン、オーレ・ヴァンシャーなど世界的に知られる偉大なデザイナーが同ブランドに名を連ねている。
同ブランドが生み出す作品の特徴は、北欧らしさが伝わってくるミニマルで木のあたたかみのあるデザインが多い点。シンプルではあるものの、機能性やクラフトマンシップが感じられるデザインのものがラインナップされている。「名作」とされている作品も数多く、例えばハンス J.ウェグナーが手がけた「Yチェア」や、ダイニングテーブルの名作とされる「CH002/CH006」などが挙げられる。
もともとデンマークで誕生したブランドであることから、デンマークでのシェアが高いことはもちろん、日本やヨーロッパ、アメリカなど世界中へ進出していることも同ブランドの特徴といえる。そのため、北欧家具といえばCarl Hansen & Sonの名を思い浮かべる方も多いのではないだろうか。
Carl Hansen&Sonは、1908年にデンマークのオーデンセで創業されたことがその歴史の始まりとなっている。当時は、創始者の名前を冠した小さな家具工房であり、ヴィクトリアンスタイルの注文家具を制作していた。当時からその品質が高い評価を得ていたCarl Hansen&Sonでは、機械の導入によってだんだんと量産品のコレクションも手がけるようになっていった。
世界恐慌の時期には家具の消費が落ち込んだものの、その後ホルガー・ハンセンがハンス・J・ウェグナーの才能を見出したことにより、「CH22/CH23/CH24/CH25」と呼ばれる名作コレクションが生まれた。さらに、1963年にはCH007シェルチェアを発表。すぐには一般には受け入れられなかったものの、1990年代に復刻されてから高い人気を誇っている。
また、同ブランドは2000年以降に世界的な展開をスタートした。2013年にはフラッグシップストアをコペンハーゲンにオープンした後、ニューヨークやサンフランシスコ、東京、大阪、ロンドン、ミラノなど世界中に店舗をオープンしている。
数々の名作を生み出してきたCarl Hansen&Sonの家具の中から、「CH07 シェルチェア」の魅力をご紹介した。どこから見ても美しい独特なデザインを特徴として持ち、世界中で高い人気を誇る椅子である。
この「CH07 シェルチェア」のほかにも、世界には数多くの名作といわれる椅子がある。本サイトでは、それらの「名作椅子」を一覧でご紹介しているので、興味のある方はぜひチェックしていただきたい。