THONETは1819年に設立されたドイツの老舗家具ブランド。曲木チェアやスチールパイプを曲げたカンチレバーチェアなどで名が知られている。
その特徴は軽量でありながら耐久性に優れ、流線型のシンプルで美しいデザインが特徴。
これらのチェアは「素材自体が持つ能力を最大限に利用する」コンセプトの元、作られているが、その思想はチェア以外の製品にも受け継がれている。
画像引用元:https://tabroom.jp/table/dining-table/itm0011481/
THONET A1910はTHONETのテーブルシリーズの一つ。ラインアップにはスクエアタイプのG8・ラウンドタイプのG10・ローテーブルのG19がある。
スタイリッシュでシンプルなテーブルは、オフィスや書斎、公共施設などさまざまな室内空間にコーディ―ネートできる機能的なもの。
「コミュニケーションの創造を時代に左右されないデザイン・機能性を持つ家具で具現化する」というTHONETのモットーにふさわしい製品である。
THONET A1910は、フロストガラスの天板とアルマイト加工仕上げのアルミニウム押出成型のフレームから成るテーブル。
イギリスの世界的建築家ノーマン・フォスターデザインのテーブルである。
フロントガラスのテーブルトップをアルミニウムのフレームが支える構造に加え、A1910-G19ではスチールワイヤーの張力を使用して強度を出している。
あえて外側から見えるようになっているビスや、A1910-G10とG8に見られる脚部フレームの45度の傾きはデザイン上のポイントの一つにもなっている。
構造美と機能性が光る、建築家ノーマン・フォスターらしいデザインである。
THONET A1910では、伝統的技術と新素材を融合させた斬新かつ画期的な製品である。
伝統的な曲木スタイルで用いられる部材同士をビスで組む技術を、押出成型のアルミニウムで実現。
新素材を積極的に活用するTHONETと建築的なアプローチで構造物をデザインしていくノーマン・フォスターの姿勢がよく現れている製品であると言えよう。
THONET A1910はTHONETが製造を手がけ、イギリスの世界的建築家ノーマン・フォスターがデザインを担当したテーブルシリーズ。
ノーマン・フォスターは、大英博物館やボストン美術館、香港上海銀行・香港本店ビルの建築作品で知られ、数々の作品が評価されたのちに、家具デザインの分野にも進出している。
ノーマン・フォスターは他にもA900シリーズのチェアをTHONETと共同開発している。THONETは、1819年にミヒャエル・トーネットによって創業されたドイツを代表する家具メーカーである。
伝統の技術と新しい素材・技術・デザインを融合させ、優れた製品を次々と生み出している。
創業以来Made in Germanyにこだわり、すべての製品がドイツの自社工場で生産されている。200年もの間、そのブランド力と高い技術やモノづくりへのこだわりは色あせることなく続いている。
THONETは1819年にミヒャエル・トーネットが開いた家具工房が前身となっている。
ミヒャエル・トーネットは1830年合成板の曲げ技術を開発し、家具を製作。この家具はエレガントさと軽さ、丈夫さを併せ持つ革新的なもの。
その後、当時としては技術的に困難だったブナ材の曲げ技術を開発し、特許を取得。1859年には躍進のきっかけとなったチェア「No.14」を製作し、家具製作にブレークスルーをもたらした。
世界初となる曲木の技術の開発とチェアの量産化に成功し、世界的に知られるチェアメーカーとなったのである。
当時は画期的であった製品カタログの製作など、革新的なアイディアで現在の家具メーカーの基礎的スタイルを築いたとされている。
その後、スチールパイプを曲げたカンチレバーチェアを製作。バウハウスとの積極的なコラボレーションを推進し、バウハウス出身の多くの著名なデザイナーとともにチェアコレクションを開発していった。
現在では、200年間の家具製作で培った豊富な実績と技術・ノウハウで世界的なトップブランドのひとつとなっている。
優れた機能と美しいデザインを両立させているのは名作家具によく見られる特徴である。
クラシカルな技術を受け継ぎつつ、時代のニーズに応え、革新的な素材やデザイン・技術を取り入れることで、名作と呼ばれる家具が生まれるのである。
曲木の技術の開発とチェアの量産化に成功したことが躍進の原点であったTHONETもまた、これまで培った伝統の技術を活かし、先進のマテリアルや技術を導入した数々の優れた製品を生み出している。
優れた機能と美しいデザインを両立させるのは、新たな素材・技術を駆使した製品開発に挑戦し続ける姿勢である。
どのようなメーカーが、どのような素材や技術をもって名作家具を生み出しているのかを知ることで本当の家具の良さやデザインを理解することができる。
以下のページで、本物の名作家具に触れてみてはいかがだろうか。