KISARAGI

1300年前の「飛騨の匠」の精神を引き継ぐ職人集団ブランド、飛騨産業。ここでは、飛騨産業が発表している多くの名作椅子の中から、KISARAGIをピックアップしてご紹介したい。ブランドのヒストリーにも簡単に触れているので、興味のある方には目を通していただきたい。

KISARAGI

画像引用元:https://www.g-mark.org/award/describe/41125

杉材の美しさを最大限まで引き出した名作、KISARAGI。気鋭の工業デザイナー・川上元美氏と老舗の家具ブランド・飛騨産業のコラボから生まれた、珠玉の作品である。

KISARAGIの特徴

杉を丁寧に加圧プレスして製作

国産材の代表格である杉。成長が早く真っ直ぐで使い勝手が良い木材だが、家具に使うには「脆い」という弱点があった。その弱点を克服すべく、飛騨産業は杉を丁寧に加圧プレス。椅子として利用できる強度・耐久性を担保しつつ、このKISARAGIを生み出した。国産の杉材が新たな門出を迎えた瞬間である。

経年変化による表情の変化を楽しむ

世代を超えて長く使い続けられる耐久性のある杉材は、その経年変化を楽しむことができる。10年、20年、1世代、2世代と長く使い続けるほどに、その色合いや表情、少しずつ変化していくだろう。自分の歴史、子供の歴史、孫の歴史が、一つの椅子に少しずつ重なっていく。

KISARAGIの歴史

KISARAGIは、2014年12月、岐阜県にある老舗家具ブランド・飛騨産業からリリースされた椅子である。脆いとされる国産杉材に丁寧なプレスを加えることで、椅子としての強度を与えた。

デザイナーは川上元美氏。川上デザインルーム代表で、東京芸大や多摩美術大学などの客員教授も歴任した、日本を代表する工業デザイナーである。

川上氏のデザインと飛騨産業の技術が相乗効果を生んだ形で、KISARAGIは、2014年のリリース当初から市場で注目を集めた。気鋭のデザイナーと伝統の職人技の融合から生まれたKISARAGIは、2014年、グッドデザイン賞金賞を受賞している。

飛騨産業について

1920年に飛騨の地で創業した飛騨産業。ブナ材を活かした曲げ木の技術により、これまで数々の名作を生み出してきた国内ブランドだ。約1300年に都づくりで活躍した木工職人「飛騨の匠」たちの精神を、飛騨産業が現代に引き継ぐ。

飛騨産業のブランドストーリー

飛騨産業は、1920年(大正9年)に岐阜県で創業した家具製造ブランド。それまで無用の長物とされてきたブナの原生林に、外部からやってきた2人の職人が着目。西洋の曲げ木の技術を町の有志たちに伝え、広く町人から出資を募って設立された家具工房が、現在の飛騨産業の始まりである。

創業当初の数年は、伝統技術である春慶塗(しゅんけいぬり)を施した椅子を多く製造。のちアメリカ向けの輸出用家具の製造をメインに手掛ける時期を経て、日本の高度経済成長の波にのり、改めて市場を日本にシフトした。以後、国内市場でもその名が知られるようになった。

2003年からは、完全受注生産での販売スタイルにシフト。一つ一つ特徴の異なる木材を前に、その良さを最大限に引き出したいとの思いから、画一的な生産スタイルを見直した形である。

他の“名作椅子”も見るなら…

飛騨産業が発表している多くの名作椅子の中から、ここではKISARAGIをご紹介させていただいた。杉を圧縮し、強度と美観を両立させたその風体は、まさに名作椅子と呼ぶにふさわしい。

さて、世の中の家具市場に目を広げてみると、ここでご紹介したKISARAGIと同様に、名作として高い評価を集めている椅子が他にもいくつか存在する。以下のページでは、世界の定番とされている名作椅子を一覧でまとめているので、ぜひ興味のある方は次へとページを進めてほしい。