北欧家具の名門ブランドFREDERICIA(フレデリシア)が手掛けた名作チェアのひとつBench For Two。一度見ると忘れられないインパクトを残すチェアである。Bench For Twoの魅力や特徴、ブランドの歴史などを紹介しよう。
Bench For Twoは、1989年頃にFREDERICIA(フレデリシア)から発表されたチェアだ。デザインは、自然界に存在するものをモチーフにした作品が多い巨匠ナナ・ディッツェルが手掛けている。その後、FREDERICIA(フレデリシア)と数々のコラボレーションを発表していくことになるが、その最初のコラボレーション作品がBench For Two である。FREDERICIA(フレデリシア)はデンマークのブランドで、奇抜なデザインでありながら、自然の生命力を感じさせる名作だ。
Bench For Twoは、その名の通り2つのチェアを組み合わせたデザインだ。まるで蝶が羽ばたいているような印象的なデザインに仕上がっている。螺旋模様は吸い込まれていきそうだ。蝶を観察し続けたナナ・ディッツェルらしいデザインと言える。脚の設計も独特で、一見、どのようなバランスで自立しているのか戸惑う人もいるのではないだろうか。
目を引くのは、その斬新な螺旋だけではない。背もたれの薄さにも目を奪われるだろう。蝶を表現するためには、背もたれの薄さは外せない。使用されているのは、1.5mmの薄い合板。航空機用にも使われている軽く高い耐久性を持つ素材だ。デザインと機能性を両立させる素材にこだわって制作されていることが分かる。
Bench For Twoが発表されたのは、1989年。ナナ・ディッツェルが蝶をモチーフにデザインした。新しい素材や技術に常に挑戦する彼女は、すでに数々の賞を受賞していたが、Bench For Two がFREDERICIA(フレデリシア)との初のコラボレーション作品である。その後、様々なコラボレーション作品を生み出していくことになる。
Bench For Two はFREDERICIA(フレデリシア)から発表されたチェアだ。デンマークの名門デザイナーズ家具ブランドである。デザインのテイストは、北欧モダンスタイル。ACTUSでも取り扱いがあり、日本での知名度も高い。北欧ブランドの中では、デザインにパワーがあるため、ワンポイントで取り入れるのも人気だ。
北欧デザインの伝統的な美しさと現代的なデザインを融合させた名門ブランドとしての地位を築きながら、若手デザイナーの起用にも積極的。日本人デザイナーのシン・アズミが手掛けた「NARAチェア」は、奈良の鹿を彷彿とさせるデザインで話題となった。
1911年、フレデリシア・ストールファブリックとして設立されたのがブランドのはじまりである。当時は、アンティーク調の家具を製造していた。第二次世界大戦後に流行り始めたモダンデザインに追随できずに一度は経営難に陥ってしまう。
1955年にアンドレアス・グラバーセンが買収。現在のFREDERICIAは、ここからはじまったと言える。ボーエ・モーエンセンをデザイナーとして起用。1年という短期間で一気に成長を遂げ、1970年代にかけてモーエンセンの作品が次々と製品化されていく。
1989年、ナナ・ディッツェルのチェアが発表される。鮮烈なデザインのインパクトで、北欧家具ブランドとしての地位を築き上げた。
FREDERICIA(フレデリシア)の名作チェアBench For Two を紹介した。生命のパワーを感じさせる印象的なデザインは、航空機に使用される素材によって実現している。蝶が羽ばたく繊細な美しさを強烈なインパクトで表現した名作と言えよう。
世界に目を向けると、他にも数々の名作椅子がある。そんな名作椅子を紹介しているので、関心があればぜひお読みいただきたい。