曲線美の集合体のような椅子

世界の高級家具を
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ただ座るだけではない。

見るだけで人を魅了する。

魅惑的な曲線美の集合体のような椅子たち。

ここに座ることを想像する。

それだけで豊かであたたかな気持ちになる自分に気づく。

1946年、デンマークBovirke社から発表された、巨匠「フィン・ユール」のイージーチェアModel BO 59は柔らかで流麗な曲線に高い美意識と技術力、そしてロマンを感じることができる。

座面の革の素材感とチーク材のコントラストも美しい。

CH22は1950年代にデザイナー、ハンス・J・ウェグナーによって書かれた設計書に基づいて作られた、いわば“復刻版”とも言える逸品。

無駄のないシンプルなフォルムは、そこに座る人すら含んだデザインであるかのよう。

あえて豊穣という言葉を使いたくなる斬新なカーブデザインのアームに時代を超えて愛され続ける答えを見た。

歴史的な建築物を眺めるように、椅子に見入る。

確かな手仕事による上質な椅子は、天然木の持つ風合いと、共に過ごす時を受け入れ、変化していく包容力を併せ持ち、なんの疑いもなく、そこに座る人々を想像させてくれる。

切り出した木に新たな命を吹き込む、デザイナー・松岡茂樹の真骨頂とも言うべきシンプルで力強い椅子である。