アリンコチェア

デンマーク家具を代表する高級ブランドとして、世界中のセレブから愛されているフリッツ・ハンセン。ここでは、フリッツ・ハンセンが発表している不朽の名作の中から、1952年にアルネ・ヤコブセンがデザインしたアリンコチェアをご紹介しよう。併せて、フリッツ・ハンセンというブランドの歴史にも触れてみたい。

アリンコチェア

画像引用元:https://www.g-mark.org/award/describe/49801?token=YtECceVj18

現在でこそ4本脚となったアリンコチェアだが、デザインされた当初は、丸テーブルに少しも多くの椅子を並べられるようにと、前脚が1本、後ろ脚が2本の3本脚だったという。製薬会社「Novo Nordisk A/S(ノボノルディスク社)」の社員食堂に設置するためにデザインされた椅子である。

アリンコチェアの特徴

「アリンコ」の体に似た美しいフォルム

座面と背もたれが一体化した流麗なデザイン、腰があたる部分をキュッとくびれさせたユニークな形状。まるで「アリンコ」のくびれた体を彷彿とさせるような、洗練された美しいフォルムである。

形成合板ならではの薄さ、それを支える細い脚部。その軽快な外観も印象的である。

最大12脚までスタッキングできる実用性

アリンコチェアは、最大12脚までスタッキングできるよう設計されている。多くの椅子を要する公共の場やオフィスなどでは、椅子を使わないときにスタッキングしておけば、スペースを有効に活用できるだろう。

スタッキングしてもデザイン性が損なわれないので、カーテンなどで隠す必要はない。

アリンコチェアの歴史

今でこそ様々な素材で作られている「座面・背もたれ一体型」の椅子だが、その先駆けは、他でもないアリンコチェアであった。

試作段階で、座面と背もたれの間に生じるひび割れを避けるため、背もたれを左右対称に少しずつ裁断。結果、今のようなくびれを特徴とする「アリンコ」のようなデザインに至ったという。

デザインされたのは1952年。その美しい独特のフォルムと座り心地の良さに加えカラーバリエーションも増えたことで、2022年現在でもなお、世界的ロングセラーとして人気を誇る。

フリッツ・ハンセンについて

フリッツ・ハンセンは、1872年にデンマークで誕生したブランドである。取り扱う商品ジャンルは椅子、テーブル、棚など。主に椅子の高級ブランドとして知られている。多くの著名デザイナーがフリッツ・ハンセンにデザインを寄せ、かつ、フリッツ・ハンセンのブランド名でリリースされた多くの作品が世界的に権威ある賞を獲得している。

フリッツ・ハンセンのブランドストーリー

フリッツ・ハンセンの創業年は1872年。2022年現在で実に150年もの歴史を持つ、デンマークの老舗家具ブランドである。

フリッツ・ハンセンのもとで働いていたデザイナーには、アルネ・ヤコブセンやポール・ケアホルム、ハンス・J・ウェグナー、ピート・ハインなどがいる。世界的なビッグネームを多く抱える様を「フリッツ・ハンセン共和国」と評した者もいた。

1915年、フリッツ・ハンセンは蒸気によるブナ材の曲げ木を使った椅子を発表。この曲げ木の技術は、当時の家具業界に衝撃を与え、以後の家具業界に大きな一つの流れを築いた。

創業以来、現在まで続くブランドの大きなコンセプトは、「シンプルさ」「機能性」「革新性」「時代の超越性」の4つ。加えて、一つ一つの製品の品質に徹底してこだわる姿勢も、フリッツ・ハンセンのコンセプトと言って良いだろう。

他の“名作椅子”も見るなら…

数々の名作を生み出してきたブランド、フリッツ・ハンセンの作品群の中から、こちらではアルネ・ヤコブセンによってデザインされたアリンコチェアをご紹介した。興味のある方は、ぜひ家具店などに足を運んでいただきたい。

さて、ご紹介したアリンコチェアと同様に、発表されてから現在に至るまで「名作」として定番化している椅子は、他にもいくつか存在する。以下のページに、当サイトが注目している名作椅子を一覧でまとめてみたので、椅子をお探しの方にはぜひ参考にしてほしい。