EMECO Navy Chair(ネイビーチェア)

いくつもの作品を生み出してきたEMECOだが、中でも特に名作として名高い作品が、当ページでご紹介するNavy Chairだ。
その特徴や歴史、及びEMECOというブランドの魅力を掘り下げて見ていきたい。

Navy Chair(ネイビーチェア)

画像引用元:https://www.truss.jp/shopdetail/000000001718/

EMECOが生み出した作品の中に、不朽の名作「No.1006」がある。
のちにNavy Chairとの愛称が与えられた、世界的に著名な椅子である。
ハンドブラッシュされたその温もりある光沢は、今もなお多くの者を魅了し続ける。

Navy Chairの特徴

77もの工程を経たハンドメイドチェア

家具工場における大量生産を得意とするアメリカにおいて、Navy Chairは希少なハンドメイドチェアである。
製作にかかる工程は実に77種類。偽物を作ろうにも、作ることができない精巧な工程だ。
デザインはもとより、熟練職人が8時間もかけて磨き上げる奥深い光沢を堪能していただきたい。

素材の多くが再生アルミニウム

Navy Chairに使用されている素材は、軽さ、強さ、耐久性の全てを兼ね備えた優秀金属のアルミニウム。
かつ、チェアの約80~85%には、リサイクルされたアルミニウムを使う。
その内訳は、約60%が飲料用のアルミ缶からの再生、約40%が工業スクラップからの再生である。
アルミニウムは、地金から生産するエネルギーのわずか5%で再生可能という効率的な金属とされる。

ヒップラインに合わせた座面のフォルム

Navy Chairの座面をご覧いただくと、人のヒップラインの形になっていることが分かる。
この特徴的な座面の形は、かつてアメリカの多くの場所で見られたポスター「ピンアップガール」のモデルのヒップラインにヒントを得て生まれたそうだ。

Navy Chairの歴史

Navy Chairは、1944年にEMECO社によって生み出されたチェア。
潜水艦と空母で使用する椅子として、アメリカ海軍からの要請で作られたものである。

洋上の厳しい環境の中で使用する椅子だったことから、安定性、強度、錆びにくさ、軽さなどに加え、何よりも重視されたのが実用性。
極限までその実用性を追求したNavy Chairは、やがて機能美の粋を備えた椅子として評価されるようになった。

時代を経て1990年代の半ば、EMECOのオーナーだったグレッグ・バックバインダー氏が、アメリカのあらゆる場所でこのNavy Chairが使われていることに気づき、改めて広く普及を図るに至った。

EMECO(エメコ)について

EMECOは、1944年にアメリカで誕生した椅子メーカー。
スタンダードなデザインながらも、彫刻芸術のような絶妙なフォルム、そして丹念に磨き上げられるアルミニウム加工のプロセスが、EMECOというブランドの最大の特徴である。

EMECOのブランドストーリー

EMECOは、1944年にアメリカ・ペンシルベニアで設立されたブランドだ。
第二次世界大戦のさなか、潜水艦や空母などで使用する強い椅子の開発・製造をアメリカ海軍より受注した。
これをきっかけに、アメリカの軍事拡大にあわせる形で事業が拡大した。

その後しばらくはアメリカ海軍御用達の椅子メーカーという立場だったが、上でも触れた通り、1990年代半ばに、アメリカの多くの場所でNavy Chairが使われていることをEMECOのオーナーが気づいた。
これをきっかけにEMECOは著名デザイナーの採用に乗り出し、以後、Hudson Chair(ハドソンチェア)などの名作を数々発表するようになった。
発表してすぐに近代美術館の常設コレクションに加わるなど、今やアメリカを代表する高級椅子ブランドの一つとして、その地位を築いている。

他の“名作椅子”も見るなら…

Navy Chairを筆頭に、EMECOから生まれる椅子の一つ一つは、世界の高級家具ファンを魅了してやまない。
余裕があれば、EMECOのすべての椅子を手に入れたい、そう願う人は多いだろう。

その一方で、EMECOとはまた異なる魅力を放つ高級チェアがあることも事実だ。
EMECOの深い魅力を再発見する意味でも、一度、他のブランドから生まれた高級チェアにも目を通してみてはいかがだろうか。