人を惑わせ、魅了する美しいカーブとまっすぐな線。
それらを組み合わせ完成した椅子。
ただ眺めているだけで、まるでそこに人が座っているかのような気配を感じられるのは、素材のちからだけでなく、デザイナーの生き方、思想を反映しているからに他ならない。
板と脚。ただそれだけの究極のシンプル。
それがテーブルという家具である。人々は日々そこに集まり、食べ、飲み、学び、働く。
形は違っていても、まるでそこに集まる人々の心模様をも内包したかのようなデザインは、機能美という言葉を自ずと体現する。
取手を引き、そっと引き出すと、そこにある空間に収められるべき日常やたからものが想像できる。
何度でも開閉したくなるのは魅力的な取手とそれを際立たせるボディデザイン、そして道具としての高い精度が揃ってこそ。