山形県童市にある天童木工。「木」をこよなく愛する職人が集まり、世界に通用する名作家具を数多く手掛けている。ここでは、天童木工が発表している作品群の中から、テーブル T-0281の魅力や特徴などをご紹介したい。
昭和における家具の黎明期を支えたデザイナー、水之江忠臣氏がデザインしたテーブル T-0281。和の風合いを大切にしながらも、どこかスタイリッシュな洋の要素も垣間見る。
詳しくは後述するが、天童木工というブランド名からも分かる通り、同社の命は「木」である。「木」の美しさそのものが、天童木工が考える重要なデザインの一つである。
翻ってT-0281。ナラ板目のシンプルなテーブルだが、シンプルだからこそ「木」のデザイン性が際立つ。丁寧に仕上げられたディテールに温もりが溢れ、ブランドの「木」への敬愛が感じられる。
T-0281には2種類のサイズが用意されている。一方は800mmの正方形タイプで、もう一方は1,200×800mmの横長タイプだ。
正方形タイプは、コーナーテーブルや2人暮らし世帯などに、横長タイプは家族団らんのダイニングなどに。空間の趣向や広さ、お好みに合わせてサイズを選ぶと良いだろう。
あえて2種類を購入し、異なる場所へ配置して家全体に統一感を演出してみることもおすすめだ。
テーブル T-0281は、昭和期に活躍した家具デザイナー、水之江忠臣氏がデザインしたテーブルである。家具にお詳しい方なら氏の名をご存知かもしれないが、名前よりもむしろ作品のほうを我々はよく目にするかもしれない。たとえば、神奈川県立図書館に設置されている椅子は、氏の代表的な作品の一つである。
家具デザイナーであるとともに、ハーマンミラーの輸入アドバイザーも務めていたという水之江氏。海外デザイナーとの関わりも多かったようなので、テーブル T-0281にも、どこか海外のスタイリッシュな香りが漂う。
山形県天童市にある天童木工。「木」をこよなく愛する職人たちが、デザイナーの期待を超える作品を世に多くリリースしているブランドだ。
人に個性があるように、「木」にもそれぞれの個性があると天童木工の職人は語る。生み出される家具は、無二の家具である。
将棋の駒の生産で知られる山形県天童市。1940年、その天童市で天童木工が誕生した。大工、建具、指物の業者が協力して結成した家具工業組合が、天童木工の前身である。
のち天童木工製作所として独立。1940年代には早くも成形合板家具の試作品を発表するなど、常に時代を先取りするコンセプトで家具づくりを進めてきたようだ。その匠の技は着実に評価を集め、やがて東京、大阪、福岡へと販路を拡大。数々の名作家具を発表しながら今日に至る。
「木を鍛える」「木を愛する」「木を導く」をコンセプトに、未来永劫にわたり「木」の可能性を追求・模索するブランドである。
天童木工が手掛けてきた名作家具の中から、テーブル T-0281の魅力をご紹介した。シンプルなデザインの中に個性を感じさせる、その和洋折衷の全体感が魅力のテーブルである。
さて、世界の高級家具に目を向けてみると、テーブル T-0281と同様に、名作家具として広く評価を集めているテーブルは、他にもまだ存在する。以下のページにて、それら名作テーブルを一覧でご紹介しているので、関心のある方は引き続きお読みいただきたい。