フランス出身で建築家としても活躍するデザイナー、フィリップ・スタルクが造り上げ、二人掛けソファ、一人掛けソファ、そしてテーブルも用意されているBUBBLE CLUB(バブルクラブ)。その魅力や特徴などをご紹介する。
緩やかな曲線を描く肘掛け部分とシャープな直線で構成された背もたれと座面。相反する要素を意図的に組み合わせることで、コントラストが際立つ存在感を主張しながら、同時に古き良き時代のレトロな雰囲気も醸し出しているのが、より印象を強めている。
「初めて見るのに、どこか懐かしい」。BUBBLE CLUB(バブルクラブ)の第一印象は、そんな感じではないだろうか。その大きな要因となっているのは、肘掛け部分にあしらわれた意匠。柔らかで優しさを感じさせる雰囲気を放っており、Kartell(カルテル)の公式HPでも「おばあちゃんのソファ」と表現されている程。
しかしながら、決して懐古主義一辺倒という訳ではなく、背もたれと座面部分はシャープな直線で構成されており、エッジを効かせた近未来的とも言える印象を放っている。そうした二律背反的な要素を恣意的に組み合わせることで、この商品ならではの個性や存在感を醸し出しているというのが秀逸である。
なお、BUBBLE CLUB(バブルクラブ)には二人掛けソファ、一人掛けソファ、そしてテーブルが用意されており、カラーも豊富。また耐久性に優れた素材を用いており、プールサイドでの使用にも対応しているというのも注目ポイントと言える。
Kartell(カルテル)の依頼によりBUBBLE CLUB(バブルクラブ)を手掛けたのは1949年パリ生まれのフランス人デザイナーで、建築家としての顔も持つフィリップ・スタルク。ピエール・カルダンのアートディレクターを務め、ミッテラン大統領から公邸内装のデザインを依頼されたという経歴の持ち主だ。
そうした正統派、王道的デザインを得意とする一方、ポップでモダンなデザインにも造詣が深く、遊び心を発揮した作品も多い。BUBBLE CLUB(バブルクラブ)も曲線と直線、懐かしさと斬新さを巧みに組み合わせ、独特の世界を紡ぎ出している。
イタリアで1949年に設立されたデザイナーズ家具ブランド。クリエイティブ性に富んだデザインと、実際に使用する家具としての機能性や品質をしっかりと融合させた製品づくりが高く評価されている。そんな同ブランドの歴史や特色について見ていこう。
前述の通り、Kartell(カルテル)は第二次世界大戦終結の4年後、1949年に設立された。設立当初よりプラスチック素材を活用した家具づくりに取り組むなど、独自の工夫を凝らしながら、デザイン性と機能性の両立にこだわった家具づくりに注力。イタリアでも屈指のブランドに成長を遂げている。
また国際的に活躍するデザイナーとのコラボレーションも積極的に行っており、BUBBLE CLUB(バブルクラブ)を手掛けたフィリップ・スタルクをはじめ、フィリップ・スタルクやヴィコ・マジストレッティ、吉岡徳仁といった錚々たるデザイナー陣と協力関係を確立している。
Kartell(カルテル)があつかうBUBBLE CLUB(バブルクラブ)は、イタリアのデザイン会社とフランス人デザイナーのコレボレーションによって生まれたソファ。デザイン性だけでなく、耐久性、実用性にも長けているのが秀逸である。
さて、世界の高級家具に目を向けてみると、BUBBLE CLUB(バブルクラブ)と同様に、名作家具として広く評価を集めている椅子は、他にもまだ存在する。以下のページにて、それら名作椅子を一覧でご紹介しているので、関心のある方は引き続きお読みいただきたい。